タミフルの10代原則禁止の怪

 以前、タミフルによる異常行動が問題視されたことがありました。その後いろいろと調査されましたが、タミフルの使用と関係なくインフルエンザでは異常行動が起こることがわかりました。またタミフル以外の抗インフルエンザ薬でも同様であることもわかりました。

 しかし、2014年12月現在、タミフルの添付文書をみると「10歳以上の未成年の患者においては、因果関係は不明であるものの、本剤の服用後に異常行動を発現し、転落等の事故に至った例が報告されている。このため、この年代の患者には、合併症、既往歴等からハイリスク患者と判断される場合を除いては、原則として本剤の使用を差し控えること。」となっており、10代への使用を原則禁止にしています。

 この制限はタミフルによる異常行動が問題視され始めた当初に作成されたものです。このときのマスコミの風潮はワクチンの副作用の問題と同じような風潮で、はじめから「タミフルが原因だ」みたいな報道が繰り返されていました。日本の医療行政のポリシーは「石橋を叩く」であるため、早々に使用制限が行われました。たのですが、その後の多数例の解析が続けられており、「これまで同様に、抗ウイルス薬の種類、使用の有無と異常行動については、特定の関係に限られるものではないと考えられた。」と治療内容に関係なく異常行動が起こることがわかっているにもかかわらず、使用制限を残しておくのは非常におかしなものです。これは日本の医療行政の真のポリシーが「石橋を叩いて叩いて叩き壊して渡らない。」であるためだと思っています。

 ハイリスク患者にとってタミフルは必要な薬剤であり、10代だからと言って禁止すべき薬ではありません。障害があってリレンザの吸入が困難な方もいます。飲み薬であるので多くの方がその飲み方に慣れている点も利点です。ほとんど意味のない使用制限が残ったままになっているところに我が国のインフルエンザ治療に対するポリシーのなさが現れているように感じます。

 

補足:タミフルの10代の使用制限も「合併症、既往歴等からハイリスク患者と判断される場合を除いては」とあるので、私のような抗インフルエンザ薬の使用はハイリスク患者に限るべきと考えている医師には実際のところは関係ないと言えますが、国としてのポリシーのなさを現しているので取り上げました。

 

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