抗インフルエンザ薬の未知なるリスク

 サイトのインフルエンザの項目も更新したのですが、同じ内容をブログにも書いておきます。


 タミフルやリレンザなどの抗インフルエンザ薬を使用するとウイルスの増殖が抑えられます。その結果として獲得する免疫が弱くなると考えられます。実際にも2012年に興味深いデータが出ています。「2008/09年シーズンにA型インフルエンザに罹患した患者の2009/10年シーズンにおける再感染率を、2008/09年シーズンの治療法別に調べたところ、再感染率は無治療であった群の9%に比べ、タミフル単独投与群では37%、リレンザ単独投与群でも45%と有意に高かった。」ということです。抗インフルエンザ薬をしようするとA型で20時間程度(B型は10時間程度)発熱が短くなる効果がありますが、翌年以降にインフルエザに再度感染する可能性が高まるようです。

 

 2009年のパンデミックインフルエンザのときには一定数の高齢者が新型ウイルスに対する抗体を持っているとの報告がありました。昔に似たようなウイルスが流行した時に獲得した免疫だと考えられています。2009年のインフルエンザは例年よりも高齢者の発症が少なかったのですが、過去の免疫がいくらかは有効であったと考えられます。

 

 抗インフルエンザ薬の使用で不十分な免疫しかできなかった場合、年をとってから(つまり、インフルエンザに対してハイリスクとなってから)十分な免疫がないことでインフルエンザ感染を重症化させる可能性があるのです。この懸念が実際に確かめられるのは何十年も後の話です。抗インフルエンザ薬の使用にはそのような未知のリスクも存在することを認識する方が良いと思われます。

 

 インフルエンザ感染のハイリスクに該当しない方は元気で自然と治りやすいうちにしっかりと免疫をつけておき、年を取ってから困らないようにした方が良さそうです。


 目先の20時間の発熱期間短縮よりも将来のインフルエンザ発症予防の方が多くの人には有用だろうというお話でした。

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