本当の敵は味方と思っている中にいる?

 先日、HANSというばかげた概念というブログ記事を書きました。その記事が尊敬する感染症専門医の青木眞先生のブログにリンクが貼られていました。

 そのことがあってかどうかはわかりませんが、読まれた方からコメントをいただいたのですが、私のブログ内容に対して否定的なコメントでした。HPVワクチンがらみのことをネットで書くと、いわゆる副作用と呼ばれるものに対してHPVワクチンとの関連に否定的な内容であると批判されることが多いようです。

 私のブログはそれほど読まれているわけではないでしょうから、関係ないのかもしれませんが、専門家が専門性に基づいた意見を言い難い状況になっていることを危惧しています。

 

  HPVワクチンが原因と主張される症状で苦しまれている方の症状は緩和されるべきですし、医療としてそのようになるべく対応していくことはもちろん必要です。しかし、原因を決めつけてしまって物事を判断することは医学、もっと言えば科学、もっと言えば社会では非常に危険なことです。

 

 例えば何らかの犯罪があったときに、犯人はあいつに違いないと決めつけて捜査をした場合は冤罪が起こる危険が高くなるだけでなく、真犯人を見逃してしまう可能性も高めてしまいます。

 

 原因不明の慢性疼痛などの症状をHPVワクチンが原因と決めつけてしまうことで起こるのも同じことです。もともと原因不明の慢性疼痛などの疾患はHPVワクチン以前から存在していたわけですから、もし一部にHPVワクチンが影響したような症例があったとしても関係なく起こった症例が確実に存在することになります。それを考慮せずに原因を探っても真実に到達することがより困難になることは明白です。

 

 このような状態なのに日本線維筋痛症学会は原因不明の疾患をすべてHPVワクチンが原因と断言するような診断基準を作ってしまいました。これでは正しい原因究明などできません。診断基準の中で「若年性特発性関節炎や全身性エリテマトーデスなどの膠原病の診断が出来る場合は除外」となっているのですが、この学会の名前にもなっている線維筋痛症は除外リストに含まれていません。世間が興味を持っているHPVワクチン副作用と関連付けることで元々自分たちが研究したい線維筋痛症の研究費を確保しようという魂胆があるのではという捉え方をされても仕方ありません。

 

 他にも原因不明の慢性疼痛などの症状を全てHPVワクチンの副作用かのように決め付ける勢力がありますが、先に述べたようにこのような決め付けは冷静に考えれば真の原因究明の妨げになるだけです。犯罪の場合は冤罪を生むだけでなく、真犯人の見逃しにつながるのです。それなのに決めつけにかかるというのはその勢力にとってそうすることに何らかの利益があるのでしょう。

 

 「原因不明の慢性疼痛などの症状とHPVワクチンとの関連性に疑問を持つこと」は、コメントにあったような「原因不明の慢性疼痛などの症状で苦しまれている方をさらに苦しめること」には結びつきません。むしろ先入観をなくすことで、より本質的な原因究明につながるのではないでしょうか。そういう意味では症状に苦しまれている方には真の意味で味方と言えます。少なくとも味方のように見せかけて実際のところは利用しているだけの勢力(敵)よりもはるかにましなはずなのです。

 

 世の常としては本当の敵は味方と思っているものの中にいるのです。

 

コメント: 0 (ディスカッションは終了しました。)
    まだコメントはありません。

アンケート

ご協力ください。


All for children...

すべては子どもたちのために

 

子供の病気のときは多かれ少なかれ心配なことが生じますが、このときの不要な心配がこのサイトを見ていただくことで減れば幸いに思います。

 

<サイトマップ>

 

当サイトのQRコード