インフルエンザの出席停止期間や学級閉鎖は適切なのか?

 インフルエンザになったら発熱した日を0日目として5日目までは休みましょう。さらに解熱した日の翌日から2日(乳幼児は3日)は経っていないといけません。というのが今のインフルエンザの出席停止の内容です。クラスで欠席する人が一定数を超えると学級閉鎖なるものも行われます。これらの決まり事は海外ではほぼないことで、日本特有のもののようです。社会全体の感染予防のためとして当たり前のように行われていますが、本当に適切なのでしょうか?

 

 

出席停止期間の問題点

 「インフルエンザの流行を抑えるために必要なこと」にも書いたようにインフルエンザと正しく診断されなかった方や、軽くてインフルエンザと思ってなかったけれど実際はインフルエンザだった方は出席停止の対象外となるため、社会全体の流行抑制効果には疑問があります。

 また、インフルエンザかどうかで登校登園までの期間が大きく変わり得るため、治療するかどうかと関係なく受診せざるを得ないことになってしまいます。おそらく多くの無駄な受診を生んでいるでしょう。

 

 

 

インフルエンザの学級閉鎖の問題点

 まとめると以下の3点が上がります。

1:超早期&5日程度の学級閉鎖には一定の流行抑制効果がある。
  →感受性者が残るため2回めの学級閉鎖の可能性も残る。
2:通常の基準での学級閉鎖にはほぼ効果がない。
  →大勢が授業を受けないため集団としての学習面では学級閉鎖の意義があるかもしれない。
3:学級閉鎖のときに感染していなかった子は学級閉鎖のときと自身が罹患したときの両方で欠席しなければならない。
 
 このため超早期の学級閉鎖が行われ、さらに2回めの学級閉鎖も行われ、そのいずれも感染しなかった子が別のタイミングで感染したら、計3回も3−7日程度(計10日以上)休まなければならないことになります。病児保育などを利用できず実家にも頼れない共働き世帯であれば親も同じだけ臨時で休まなければなりません。経済的損失ももちろんですが、日本では社会的信用・信頼にも関わってきてその後の仕事にも影響しそうです。莫大な経済的損失ですし、こんな状況で少子化なのは当たり前でしょう。
解決策は?
 個人的なアイデアとしては
1:インフルかどうかは関係なく、発熱が2日までであれば1日間は完全に解熱を確認するまで出席停止、発熱が3日以上なら2日間は完全に解熱を確認するまでは出席停止とする。ただしインフルエンザで抗インフルエンザ薬を使用した場合はウイルス残存を考慮し1日余分に出席停止とする。
2:学級閉鎖は新型インフルエンザなどの例外を除いて行わない。欠席者が多く授業に差し障りがある場合は授業内容に配慮し復習などの授業を提供する。
 
 
 こうすることで親は自分の子が病気のとき以外は休む必要がなくなりますし、インフルかどうか白黒はっきりさせる必要はなくなります。インフルを治療するかどうか医師個人の考え方によると思いますので触れませんが、どれだけ検査してもはっきりしないケースはいくらでもあるので白黒必ずしもはっきりさせなくて良いのは医師にも好都合だと思います。
 インフルだけど違ったと言って解熱後すぐに受診する子も減るでしょう。インフルを過剰なまでに心配する親も減るでしょう。
 普段の感染予防についての啓発や、学校での環境改善(加温加湿)なども併用すれば、今の出席停止期間や学級閉鎖のシステムよりは良くなるのではないでしょうか。
 
 
 私見を述べさせていただきましたが、少なくとも現在のやり方を医療の面だけでなく、経済的な面や心理的な面などから客観的に見なおすことが必要だと思います。効果があるかないかも検証しないのに漫然と続けることだけは避けなければなりません

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