ここでも直感的にわかりやすくするため、検査の対象を1万人の発熱患者とします。その上でインフルエンザに罹患していた場合としていなかった場合で検査結果がどのようにでるかを以下の表にまとめました。
さきの発熱患者の90%がインフルエンザのときと異なり、検査に陰性の人で実際もインフルエンザに罹患していない人は9740人のうちの9702人になりますから99.6%となります。この場合の迅速検査陰性はほとんど正しいということになります。
一方、検査で陽性の人で実際にインフルエンザに罹患している人は260人のうちの62人ですから23.8%となります。つまり4人に1人しか正しくないことになります。検査前の段階で1割程度しかインフルエンザの可能性がないと臨床的に診断できるよなケースで検査をしてその結果を鵜呑みにすると7〜8割が誤診となってしまうのです。検査しなくても1割は誤診がありますが、この場合も検査をした方が誤診の確率が高まってしまうのです。