2017年

1月

15日

豊洲市場問題にみる科学リテラシー問題

科学リテラシーとは科学の基礎常識であり、もう少し詳しく言うと「アメリカの国立教育統計センターによると、科学リテラシーとは「個人としての意思決定、市民的・文化的な問題への参与、経済の生産性向上に必要な、科学的概念・手法に対する知識と理解」(ウィキペディア)ということになります。

 

日本人の科学リテラシーは国際的にも低いようです。

築地市場移転先の豊洲で地下水モニタリングで基準値を超える有害物質が検出されたということで大騒ぎになっています。

 

大手マスメディアは感情的な報道で終わっています。

 

<豊洲有害物質>予期せぬ高濃度 汚染72カ所に(毎日新聞)

 

豊洲地下水、基準79倍の有害物質 70カ所で超過(朝日新聞)

 

比較的まともな記事はこちら(大手マスコミでないところがポイント)

地下水から環境基準超える有害物質が出た本当の意味 結局、豊洲市場は「安全安心」なのか(BuzzFeed Japan)

 

この問題の根本的な原因はマスコミにありそうですが、この記事に対するネットユザーのコメントも科学リテラシーは高くなく、感情的なコメントが多くなっています。

 

この件の報道の問題点を上げましょう。

 

1:飲水ではないのに飲水の基準で問題視されている。

 

2:豊洲の調査結果のみが問題となっているが、そもそも築地で同じ調査をしたらどうなのか、他の場所で同じ調査をしたらどうなのかという比較がない。

 

3築地の衛生環境はそもそもどうなのでしょうか?

 

 

実はこの件に関してすでにコメントしている著名人がいました。

 

下水があふれ出す築地の方が安全? 橋下徹氏「豊洲と築地比較すべき」(プレジデントオンライン)

「繰り返しになるが、市場内の空気が環境基準を満たすことは必要だ。ところが人が触れることがないようにコンクリートや盛土で覆われた土を、その土に直接触れる形で70年間生活したとしても大丈夫なレベルまできれいにし、人が飲むことも触れることもない豊洲の地下水を、70年間毎日2リットル飲み続けても大丈夫なレベルまできれいにする必要が本当にあるのか。」

 

「ところが築地市場では、8月の大雨で下水道があふれ、そこから下水が地表に噴出したのに誰も問題にしなかった。下水道の下水って、これほど不衛生なことはない。下水が築地で噴出したのに、豊洲で飲料用レベルの水が噴出する可能性を心配する。」

 

「今の豊洲の状態をしっかりと都民に伝えるためには、まず現・築地市場の、大気・土壌・地下水の状況の数値を表に出して比較すべきだ」

 

たまに誤解コメントもある橋下徹さんですが、大抵は的を得た考えの方です。このコメントも的を得ています。

本来はマスコミが指摘すべきことなんですが、それができないマスコミに存在意義はあるのでしょうか?

我々読者ももっと冷静になるべきです。

 

HPVワクチン問題と同じ、問題構造を感じました。

 

日本の科学リテラシーの低さは近い将来、この国を滅ぼしかねません。

 

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2016年

2月

26日

インフルエンザの出席停止期間や学級閉鎖は適切なのか?

 インフルエンザになったら発熱した日を0日目として5日目までは休みましょう。さらに解熱した日の翌日から2日(乳幼児は3日)は経っていないといけません。というのが今のインフルエンザの出席停止の内容です。クラスで欠席する人が一定数を超えると学級閉鎖なるものも行われます。これらの決まり事は海外ではほぼないことで、日本特有のもののようです。社会全体の感染予防のためとして当たり前のように行われていますが、本当に適切なのでしょうか?

 

 

出席停止期間の問題点

 「インフルエンザの流行を抑えるために必要なこと」にも書いたようにインフルエンザと正しく診断されなかった方や、軽くてインフルエンザと思ってなかったけれど実際はインフルエンザだった方は出席停止の対象外となるため、社会全体の流行抑制効果には疑問があります。

 また、インフルエンザかどうかで登校登園までの期間が大きく変わり得るため、治療するかどうかと関係なく受診せざるを得ないことになってしまいます。おそらく多くの無駄な受診を生んでいるでしょう。

 

 

 

インフルエンザの学級閉鎖の問題点

 まとめると以下の3点が上がります。

1:超早期&5日程度の学級閉鎖には一定の流行抑制効果がある。
  →感受性者が残るため2回めの学級閉鎖の可能性も残る。
2:通常の基準での学級閉鎖にはほぼ効果がない。
  →大勢が授業を受けないため集団としての学習面では学級閉鎖の意義があるかもしれない。
3:学級閉鎖のときに感染していなかった子は学級閉鎖のときと自身が罹患したときの両方で欠席しなければならない。
 
 このため超早期の学級閉鎖が行われ、さらに2回めの学級閉鎖も行われ、そのいずれも感染しなかった子が別のタイミングで感染したら、計3回も3−7日程度(計10日以上)休まなければならないことになります。病児保育などを利用できず実家にも頼れない共働き世帯であれば親も同じだけ臨時で休まなければなりません。経済的損失ももちろんですが、日本では社会的信用・信頼にも関わってきてその後の仕事にも影響しそうです。莫大な経済的損失ですし、こんな状況で少子化なのは当たり前でしょう。
解決策は?
 個人的なアイデアとしては
1:インフルかどうかは関係なく、発熱が2日までであれば1日間は完全に解熱を確認するまで出席停止、発熱が3日以上なら2日間は完全に解熱を確認するまでは出席停止とする。ただしインフルエンザで抗インフルエンザ薬を使用した場合はウイルス残存を考慮し1日余分に出席停止とする。
2:学級閉鎖は新型インフルエンザなどの例外を除いて行わない。欠席者が多く授業に差し障りがある場合は授業内容に配慮し復習などの授業を提供する。
 
 
 こうすることで親は自分の子が病気のとき以外は休む必要がなくなりますし、インフルかどうか白黒はっきりさせる必要はなくなります。インフルを治療するかどうか医師個人の考え方によると思いますので触れませんが、どれだけ検査してもはっきりしないケースはいくらでもあるので白黒必ずしもはっきりさせなくて良いのは医師にも好都合だと思います。
 インフルだけど違ったと言って解熱後すぐに受診する子も減るでしょう。インフルを過剰なまでに心配する親も減るでしょう。
 普段の感染予防についての啓発や、学校での環境改善(加温加湿)なども併用すれば、今の出席停止期間や学級閉鎖のシステムよりは良くなるのではないでしょうか。
 
 
 私見を述べさせていただきましたが、少なくとも現在のやり方を医療の面だけでなく、経済的な面や心理的な面などから客観的に見なおすことが必要だと思います。効果があるかないかも検証しないのに漫然と続けることだけは避けなければなりません
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2015年

12月

04日

かぜ薬いろいろ

かぜ薬について最近ニュースになっていたものを私自身の覚書程度ですが列挙しておきます。

 

市販薬副作用で死亡15件 過去5年、消費者庁が注意促す 

日本経済新聞 2015/4/9 0:36

 

同庁は、厚生労働省所管の独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)による副作用の症例数の集計に基づき、2009~13年度の5年間に市販薬による副作用が疑われる報告が計1225件あったとした。

 死亡した15件では、総合感冒薬(風邪薬)が原因とみられるのが8件と最も多く、続いて解熱鎮痛消炎剤が3件、せき止め薬が2件、漢方製剤が1件、その他が1件だった。肝障害や腎障害、ぜんそくの発作などが悪化したとみられる。

 

消費者庁のこの件に関する報告

「平成21年度から平成25年度までの5年間に、製造販売業者から独立行政法 人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に報告された一般用医薬品の副作用報告数 は合計1,225 例です。このうち、副作用で死に至った症例が15例、後遺症が残った症例が 15 例あり、一般用医薬品の副作用でも極めて重篤な状態に陥ることがあります。」宝くじに当たるよりも頻度の低いことですが、身近なところでも起こっています。絶対必要な薬で起これば仕方ないのかもしれませんが、効果が否定的とみなされる薬(これを薬と呼ぶべきかも問題ですが)で起こった場合は何とも言えないですね。

 

 

 叶美香 アナフィラキシーショックで入院 先月23日呼吸困難に 

スポニチアネックス 12月3日(木)5時1分配信 

関係者によると、最近、美香は風邪をひいてせき込むことが続いていたが、11月23日に呼吸困難な状態になり緊急入院。医師から「命の危険もある」と告げられるほど重篤な状態で、急性アレルギー反応のアナフィラキシーショックと診断された。倒れる前は大量の咳(せき)止めシロップを服用していたという。

 


実際には以前からかぜ薬の危険性は日本でも言われています。

(本HPの方でも以前より提示させていただいています。)

「一般用医薬品による重篤な副作用について」

2012年8月 医薬品・医療機器等安全性情報

 

 

風邪は自然と治るものです。

自然と治るものに薬を使うというのは副作用のリスクも考えなければなりません。薬の数が増えるほどそのリスクも増えます。

「風邪のときの薬は必要最小限に」を実践されているかかりつけ医を見つけましょう。大事なのはかぜ薬を処方してもらうことではなく、風邪以外の可能性がないかを診察してもらうことと思って下さい。

 

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2015年

4月

09日

本当の敵は味方と思っている中にいる?

 先日、HANSというばかげた概念というブログ記事を書きました。その記事が尊敬する感染症専門医の青木眞先生のブログにリンクが貼られていました。

 そのことがあってかどうかはわかりませんが、読まれた方からコメントをいただいたのですが、私のブログ内容に対して否定的なコメントでした。HPVワクチンがらみのことをネットで書くと、いわゆる副作用と呼ばれるものに対してHPVワクチンとの関連に否定的な内容であると批判されることが多いようです。

 私のブログはそれほど読まれているわけではないでしょうから、関係ないのかもしれませんが、専門家が専門性に基づいた意見を言い難い状況になっていることを危惧しています。

 

  HPVワクチンが原因と主張される症状で苦しまれている方の症状は緩和されるべきですし、医療としてそのようになるべく対応していくことはもちろん必要です。しかし、原因を決めつけてしまって物事を判断することは医学、もっと言えば科学、もっと言えば社会では非常に危険なことです。

 

 例えば何らかの犯罪があったときに、犯人はあいつに違いないと決めつけて捜査をした場合は冤罪が起こる危険が高くなるだけでなく、真犯人を見逃してしまう可能性も高めてしまいます。

 

 原因不明の慢性疼痛などの症状をHPVワクチンが原因と決めつけてしまうことで起こるのも同じことです。もともと原因不明の慢性疼痛などの疾患はHPVワクチン以前から存在していたわけですから、もし一部にHPVワクチンが影響したような症例があったとしても関係なく起こった症例が確実に存在することになります。それを考慮せずに原因を探っても真実に到達することがより困難になることは明白です。

 

 このような状態なのに日本線維筋痛症学会は原因不明の疾患をすべてHPVワクチンが原因と断言するような診断基準を作ってしまいました。これでは正しい原因究明などできません。診断基準の中で「若年性特発性関節炎や全身性エリテマトーデスなどの膠原病の診断が出来る場合は除外」となっているのですが、この学会の名前にもなっている線維筋痛症は除外リストに含まれていません。世間が興味を持っているHPVワクチン副作用と関連付けることで元々自分たちが研究したい線維筋痛症の研究費を確保しようという魂胆があるのではという捉え方をされても仕方ありません。

 

 他にも原因不明の慢性疼痛などの症状を全てHPVワクチンの副作用かのように決め付ける勢力がありますが、先に述べたようにこのような決め付けは冷静に考えれば真の原因究明の妨げになるだけです。犯罪の場合は冤罪を生むだけでなく、真犯人の見逃しにつながるのです。それなのに決めつけにかかるというのはその勢力にとってそうすることに何らかの利益があるのでしょう。

 

 「原因不明の慢性疼痛などの症状とHPVワクチンとの関連性に疑問を持つこと」は、コメントにあったような「原因不明の慢性疼痛などの症状で苦しまれている方をさらに苦しめること」には結びつきません。むしろ先入観をなくすことで、より本質的な原因究明につながるのではないでしょうか。そういう意味では症状に苦しまれている方には真の意味で味方と言えます。少なくとも味方のように見せかけて実際のところは利用しているだけの勢力(敵)よりもはるかにましなはずなのです。

 

 世の常としては本当の敵は味方と思っているものの中にいるのです。

 

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2015年

2月

15日

教科横断型テスト?

大学入試のあり方が変わろうとしています。

 

大手予備校 新たな大学入試へ対応始まる

NHK newsweb 2月15日 18時51分

 

 「大学入試センター試験を廃止して複数回受験できる新たなテストを実施し、「国語」や「数学」といった単一の教科の試験だけでなく、複数の教科にまたがる「合教科・科目型」、「総合型」と呼ばれる問題を出題することなどを提言しています。」

ということで予備校も対応を始めたとのことです。

 

「「駿台予備学校」では、入試改革に対応するため、今月プロジェクトチームを立ち上げました。(中略)また高校生向けに、教科横断型のテストをことしから実施することにしています。例えば「6つの俳句の中から、(1)松尾芭蕉の句で、(2)詠まれた場所が最も北の句を選べ」といった、国語と地理の理解を合わせて問う問題などを予定しているということです。」

 

この例題が教科横断型というは、なんとも呆れてしまいます。

 

俳句の詠まれた背景や意味を知ることは学ぶという点では意味があると思いますが、どの俳句を誰が詠んだかということだけを知っていることだけであれば暗記力があればそれで良いことになります。また地理で最も大事なのはどのような地形的・気候的背景があってその地域はどのような発展をしているのかということを学ぶことだと思いますが、俳句で詠まれた場所の中でどこが一番北にあるのかを知っていることは地理の本質的な理解とは関係なく、やはり暗記力があればそれで良いことになります。

 

例で上げられた問題がたまたま悪かったのであれば良いのですが、本気でこんな暗記力だけあれば解ける、雑学王であれば高得点が取れるような問題を作るのであれば、やめていただきたいと思いました。


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2015年

1月

27日

抗インフルエンザ薬の未知なるリスク

 サイトのインフルエンザの項目も更新したのですが、同じ内容をブログにも書いておきます。


 タミフルやリレンザなどの抗インフルエンザ薬を使用するとウイルスの増殖が抑えられます。その結果として獲得する免疫が弱くなると考えられます。実際にも2012年に興味深いデータが出ています。「2008/09年シーズンにA型インフルエンザに罹患した患者の2009/10年シーズンにおける再感染率を、2008/09年シーズンの治療法別に調べたところ、再感染率は無治療であった群の9%に比べ、タミフル単独投与群では37%、リレンザ単独投与群でも45%と有意に高かった。」ということです。抗インフルエンザ薬をしようするとA型で20時間程度(B型は10時間程度)発熱が短くなる効果がありますが、翌年以降にインフルエザに再度感染する可能性が高まるようです。

 

 2009年のパンデミックインフルエンザのときには一定数の高齢者が新型ウイルスに対する抗体を持っているとの報告がありました。昔に似たようなウイルスが流行した時に獲得した免疫だと考えられています。2009年のインフルエンザは例年よりも高齢者の発症が少なかったのですが、過去の免疫がいくらかは有効であったと考えられます。

 

 抗インフルエンザ薬の使用で不十分な免疫しかできなかった場合、年をとってから(つまり、インフルエンザに対してハイリスクとなってから)十分な免疫がないことでインフルエンザ感染を重症化させる可能性があるのです。この懸念が実際に確かめられるのは何十年も後の話です。抗インフルエンザ薬の使用にはそのような未知のリスクも存在することを認識する方が良いと思われます。

 

 インフルエンザ感染のハイリスクに該当しない方は元気で自然と治りやすいうちにしっかりと免疫をつけておき、年を取ってから困らないようにした方が良さそうです。


 目先の20時間の発熱期間短縮よりも将来のインフルエンザ発症予防の方が多くの人には有用だろうというお話でした。

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2015年

1月

18日

HANSというばかげた概念

日本線維筋痛症学会はHPVワクチン(いわゆる子宮頸癌ワクチン)の副反応の適正評価のためとして、「HPVワクチン関連神経免疫異常症候群(Human papillomavirus vaccination associated with neuropathic syndrome;HANS)」を提唱、診断予備基準案を発表しました。


診断予備基準案(2014)をみると

 

(I)子宮頸がんワクチンを接種(接種前は身体的・精神的な異常なし)

 

(II)以下の症状が複数ある

  1)身体の広範な痛み

  2)関節痛または関節炎

  3)激しい疲労が6週間以上続く

  4)心身・精神症状(記憶障害、突然の眠気、呼吸苦、脱力、環境過敏)がある

  5)脳画像の異常

 

(III)以下の症状を伴う場合がある

  1)月経異常、

  2)自律神経異常(めまい、頻脈、動悸、冷や汗など)、

  3)髄液異常

 

のうち、(I)+(II)3項目以上、(I)+(II)2項目+(III)1項目以上でHANSと診断となっています。

 

いずれにせよ(I)が必須です。これが非常にばかげています。

 

HPVワクチンを打ったこと、つまり(I)と(II)や(III)が関係していることは示されていません。それなのにこの診断基準は(I)を前提にしています。

 

(II)や(III)のような症状とHPVワクチンが関連しているのかどうかを調べようとすればHPVワクチンを打った人だけでなく、打っていない人でも(II)や(III)の発症率を調査して比較しなければなりません。

 

仮定の上でしか成り立たない診断基準なのです。

これは医学的にはまともではありません。

仮定でしか成り立たないので(I)の部分は何にでも置き換え可能です。

 

例えば「(I)中学校に入学(入学前は身体的・精神的な異常なし)」としても、それっぽい基準になるでしょう。


ちなみに先のHANSの基準は「若年性特発性関節炎や全身性エリテマトーデスなどの膠原病の診断が出来る場合は除外」となっているのですが、この学会の名前にもなっている線維筋痛症は除外リストに含まれていません。線維筋痛症の診断基準を満たす人がHPVワクチンを打っていれば自動的にHANSの診断になります。ばかげていますよね。

 

ちなみにHPVワクチンがらみで問題になった慢性疼痛はCRPS (Complex regional pain syndrome)と言って、

1:きっかけになる出来事(ケガ、ワクチン接種、採血、他)

2:元の痛みよりも、その後の痛みは異常に強く、長く続く。

3:手のむくみ、赤くなる、汗の異常などが見られる。

4:ほかの病気では、この病状を説明できない 。

というのが特徴です。

 

通常は受傷1か月以内に症状が出現するとされ、もともと思春期女子に好発することが知られています。ちょうどHPVワクチンの接種年齢です。いろいろな誘引で発症するとされていますが、HPVワクチンを打っていれば他の原因で起こっていたとしてもHANSと診断してあたかもHPVワクチンが原因であるということになります。

やっぱりおかしいですよね。

 

日本線維筋痛症学会って大丈夫?って心配します。

学会レベルでこんな状態なのは悲しいです。

 

ちなみに海外では国全体の医療情報を利用できる国もあり、HPVワクチンについても調査報告されていますが、これまでのところ特に何らかの疾患が増えているとの報告はありません。

 

例えば、デンマークとスウェーデンでの全国登録による調査では接種後2年のリスク期間と非接種期間の発症率の比較で、接種に関連する多発性硬化症またはその他の脱髄疾患のリスク増加はなかったと報告されています。

 

さらに、イギリスの報告ではHPVワクチン後のCRPS発生率は自然発生率を下回っていることも報告されています。

 

国としてのレベルの差にも悲しくなります。

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2014年

12月

27日

本当にそうなの1

久々のブログです。

前からやってみたかったことを始めようと思います。


ストーブ火災の7割が電気 安全過信、物との距離近すぎ

朝日新聞:2014年12月7日10時13分

 

東京都の調査として「東京消防庁管内で2009年から13年の間にストーブが原因で起きた火災は674件。このうち、73%が電気ストーブによるものだった。」とのことで電気ストーブに対する注意喚起をする内容の記事です。他のマスコミも同様でした。

 

この報道を一見すると石油ストーブ以上に電気ストーブが危険なものだと思いませんか?本当に電気ストーブは危険なのでしょうか?

 

記事の中にもありますが、火災の背景にあるストーブの使用実態を調べるため、東京都が2014年1月にインターネットで調査した結果とのことで、成人男女2万人が回答したそうです。使っている暖房器具(複数回答)は、エアコンが69%で最多で、電気ストーブは23%で、石油ストーブは6%だったとのことです。

 

ストーブにおける電気ストーブの比率は23/(23+6)でおよそ75%なのでストーブの中で電気ストーブが火災を起こしている割合とほぼ同等ということになります。

 

ストーブの中で電気ストーブが特に危険なわけではなく、石油ストーブも同等に危険だということになります。電気ストーブだから逆に安全を過信したわけでもないこともわかります。

 

データをきちんと分析しないと記事のように間違った結論を出すことになってしまいます。

 

このようにマスコミの報道、特にデータの解釈について「本当にそうなの?」と突っ込んでいきたいと思います。

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2013年

6月

15日

HPVワクチンの接種勧奨を控える件

子宮頸がんワクチン勧奨控える=副作用相次ぎ、接種中止はせず―厚労省部会

 

なげかわし・・

 

副作用・副反応・予防接種を区別して伝えてこなかった製薬会社や医療者の責任もありますし、センセーショナルな報道をしてあとは知らんぷりのマスコミにも原因がありますし、なんでも鵜呑みにする情報の受け取り手の問題もあります。

 

さらに厚生労働省の方から医療機関にとどいたパンフレットに

「現在、子宮頸がん予防ワクチンの接種を積極的にはお勧めしていません。」

とあるのですが、これもまた正確に情報を伝えようという努力がありません。

 

「積極的」ってどこにかかるか知っていますか?

 

そもそも行政は定期接種のワクチンの接種を積極的に勧奨する義務を持っているのですが、積極的に勧奨するのを一時的に止めましょうということのはずなのに、「現在、子宮頸がん予防ワクチンの接種を積極的にはお勧めしていません。」の表現だと接種することをお勧めしないことに積極的、つまり接種しないでと言っているように受け取れてしまいます。

 

これではかっての旧日本脳炎ワクチンのときと同じです。

あのときから何にも進歩していないのです。

 

さらに言えば昔、百日咳ワクチンでも同じことがありました。

そのため年間数名まで減った百日咳の死者がワクチン接種一時中止後には年間数十人亡くなるようになりました。ワクチンを止めた場合に何が起こるのかということは過小評価されやすいのですが、昔に大失敗をしているのに何も学んでいないのです。この国は・・

 

日本はこの数年で接種できるワクチンが増え、かってのワクチン後進国からワクチン途上国になりましたが、本質的なところではワクチン後進国のまんまだったのです(知っていましたが)。

 

本日はなげかわしすぎてこれ以上コメントができません・・

 

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2012年

10月

28日

マスコミのマッチポンプが始まった。

日本脳炎のワクチンでマスコミのマッチポンプが始まっています。

マッチポンプとは「マッチで自ら火事を起こして煽り、それを自らポンプで消す」という自作自演の例えです。


 

2012年10月28日のヤフーの見出し

***** 

 

日本脳炎ワクチン 重い副作用104人 未回復、後遺症も(東京新聞)


◇岐阜県では男児が死亡
・ 予防接種「死亡例」も 厚労省が事実確認 小学5年男児死亡 - 産経新聞(10月18日)
・ 予防接種後の急死「原因解明して」 岐阜の男児遺族訴え - 朝日新聞デジタル(10月28日)
・ [映像]日本脳炎の予防接種、中断を申し入れ - 岐阜県で10歳の男の子が接種直後に死亡したほか、今年7月にも接種1週間後に急性脳症で死亡した子供がいる。TBS系(JNN)(10月27日)

◇厚労省の対応は
・ 副反応の報告徹底を=日本脳炎の予防接種―厚労省 - 時事通信(10月22日)

◇医師会は各市町村に対し差し控え勧告
・ 日本脳炎ワクチン接種の積極的推奨差し控えQ&A - 日本医師会

◇日本脳炎とは
・ 日本脳炎 - 厚生労働省
・ 日本脳炎 - 国立感染症研究所 感染症情報センター

 感染症と衛生 

 

 

*****以上

 

ひどいです。


まず東京新聞の重い副作用104人ですが、104人の副作用の内訳が書いていない。副作用は正式用語でなく副反応が正しい(私個人は意図的に副作用を使うのでどっちでもよいのですが、言葉のプロが誤って使うのはどうでしょう)、報告されているのは有害事象であり、必ずしも副反応とはいえない(実際にもワクチン後の重大な有害事象はほとんどはワクチンと関係のない紛れ込みで、アナフィラキシーなどのワクチンが原因で起こる本当の意味の副反応は稀)、記事の中で「情報発信を迅速に」と書いているけれど、正しく伝えることが重要で、それができないマスコミに情報を伝えてどうなるのか?

 

「[映像]日本脳炎の予防接種、中断を申し入れ 」も有害事象として報告された7月の死亡例をワクチンが原因と断定するような書き方をしています。マスコミではないですが、日本消費者連盟などの市民団体は「日本脳炎の患者が激減していることや2010年度に148件の副作用事例が報告されていること」を中断申し入れの理由としていますが、日本脳炎の患者が減ったのは環境の改善もあるがワクチンの効果もあることを忘れています。ワクチンが有効なほど病気の発生がなく、一見ワクチンが不要に思えるが、ワクチンを止めて免疫を持たない人が増えると抑えられていた病気が増えます。また有害事象の概念を正しく理解されていないことも明らかです。

 

「医師会は各市町村に対し差し控え勧告・ 日本脳炎ワクチン接種の積極的推奨差し控えQ&A−日本医師会」とあるけどこれは古いワクチンのときの話。なぜ誤解を与えるような記事をここに引用する必要があるのか?(ちなみに古いワクチンも接種推奨差し控えしなくても良かったというのが多くの専門家の意見です。)


ちなみにマスコミは添付文書に書かれている副反応も本当の意味の副反応でないけどこれも知っているのでしょうか? 添付文書に書かれている副反応とは有害事象のなかではっきりした原因が見つからなかったためワクチンが原因でないと断言できないからということになったものが副反応として載ります。ワクチンが原因でなくても副反応として載るのです。

 

例えばワクチンのあとに熱が出た。インフルエンザの検査したけど違った。まわりで流行はないし、風邪とも断定できない。このようなケースの発熱はワクチンの副反応として添付文書に反映されます。でも詳しく検査すると普通の検査ではわからない風邪のウイルスが見つかったのなら副反応となりません。ワクチン後の出来事がワクチンの副反応として報告されるにはどこまで調べているか、医師の診断能力など様々な要因に左右されます。またどれだけ優秀な医者がどれだけ調べても100%関係ないと断定できないこともあります。

 

医療でなくても同じことは起こります。

「なかなか手に入らない珍味を食べたあと○日後に死亡」

なかなか手に入らない珍味「死亡例」も 農林水産省が事実確認

など、他のことでもすべてのことでこのような記載が可能です。

 

最後に

「 副反応の報告徹底を=日本脳炎の予防接種―厚労省 - 時事通信(10月22日)」

ですが、医師の中にも副反応と有害事象の違いを理解できていない人もいます。なんでもワクチンに結びつけて考えたがる医師ならなんでもかんでも副反応として報告しますし、ワクチンで何も起きないから報告する必要ないと考えている医者なら例えワクチンと関連する可能性ああることも報告しないでしょう。ワクチンのまれな副反応を見逃さないために本来は有害事象として広く報告し、専門家が解析するという他の国では当たり前のシステムを作る必要があります。そのようなシステムがないなかで一部ががんばっても大きな誤解を生む結果しか引き起こしません。

 

マスコミや行政、医師も含めた世の中全体の成熟が必要です。

 

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2012年

10月

28日

日本脳炎ワクチンと死亡の件

日本脳炎>予防接種後に小5男児急死 岐阜・美濃(毎日新聞)

 

日本脳炎5分後の突然死の件ですが、月末により詳しい情報をもとに検討されるようですからその結果を待ってブログにしたかったのですが、マスコミは誤解を与える報道を繰り返しているため、現時点での情報をもとに考えてみましょう。

他のソースからの情報も総合するとワクチン接種5分後に心肺停止しており、その前に苦しがったなどの症状もなかったようです。本当に突然起こっているみたいです。

 

ワクチンのあと特に注意が必要なのはアナフィラキシーという重症のアレルギー反応ですが、この場合は息を苦しがる、かゆがるなどの症状が始めにあり、その後急速に症状が進みます。ですからアナフィラキシーは考えにくいと思われます。

 

もうひとつは血管迷走神経反射です。痛みなどの恐怖で迷走神経が働き脈が遅くなります。もっともひどいと心拍が停止することもあるようですが、処置に対する回復はよいとされます。ですからこれも違うでしょう。

 

さらにもうひとつは致死性の不整脈です。過度な興奮によって起こることもありえます(ただし頻度は非常に少なく普段からこれを心配するなら交通事故の方がよっぽど心配だよレベル)。今回の予防接種でそのような過度な興奮が起こり、そのため致死性不整脈が起こったという可能性はありえます。予防接種の環境で起こったわけなので保証の対象と思われますが、ワクチン自体で起こったわけではありません。

 

例えるなら

「ショッキングな記事をみて突然死」

「大音量の映画で突然死」

「大興奮のテレビ番組で突然死」

と同じ状況になります。

ワクチンでは保証対象(と思われますが)、その他、記事や映画、テレビでは保証の対象にもならないでしょう。日常生活では普通に遭遇する状況がたまたまワクチンの現場で起こったのだとしたら、ワクチンはどこまで悪いのでしょうか?

 

例として「交通事故で死亡」で考えましょう。

これがワクチンの帰りに起こったのであればワクチンの有害事象であり、しかもワクチン接種に行かなければ会わなかったので関係性はあると言えます。ちなみに有害事象とはワクチンと関係があるかないかにかかわらずワクチンを打った後に起こった不都合な出来事のことです。有害事象=副作用(正式には副反応)とはなりません。一般的には有害事象>>副作用となります。「交通事故で死亡」がワクチン接種後に起こればワクチンの有害事象ですが、ワクチン以外の場所に行くときもそのようなリスクはあるわけです。ワクチンを打ちに行ったという状況から引き起こされたものと言えますが、ワクチン自体が直接の原因ではありまえせん。


   ややこしいですね。内容を十分と理解いただけるにこしたことはありませんが、少なくとも時間の前後関係だけで因果関係(原因と結果の関係)があるかはわからないこと、ワクチン以外の状況に置き換えても同じような報道ができてしまうこと、誤解を与える報道もよくあることを理解いただければ少しは冷静に考えてもらえると思います。

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2012年

10月

25日

ワクチンとマスコミ

 「不活化ワクチン接種後、0歳児死亡…初の報告例」(読売新聞)

「不活化ポリオ予防接種の女児、19日後に死亡 」(日本経済新聞)

「不活化ワクチンで初 ポリオ予防接種でも死亡例」(スポニチ)

 

もう開いた口が塞がりません。あきれました。憤りました。

上記以外にも不活化ポリオワクチン「で」死亡したと思わせるような報道が相次ぎました。マスコミのレベルの低下がどんどん進んでいるのだと実感しました。

(こちらのホームページに検索の結果たどり着かれる方が激増しています。)

 

医学的な常識から考えてワクチンのあと19日後に突然死ぬことなんてありえません。特に不活化ワクチンは毒性をなくしたワクチンですから、接種直後にひどいアレルギー(アナフィラキシーといいます)を起こしたとかなければ、何日もたって何か起こるということは考えられません。時間の前後関係はありますが、だからといって因果関係(原因ー結果の関係)があることにはならないことはものすごく簡単な一般常識です。しかし上記の報道はこの認識が欠如してしまっています。医療以外の分野での報道も同じようなレベルであるとするとマスコミの報道をそのまま鵜呑みにすることは非常に危険だと認識(正確には再認識)させられました。

 

時間関係を因果関係と取り違えて、今回の不活化ポリオの件と同じように報道しようと思えばなんでもできます。例えば

「新聞を読んだ翌日に突然死。死因不明。」

「デジタル放送移行後、テレビを見た3日後に死亡。初の報告例。」

「人気漫画〇〇を読んだ10日後に死亡。」

「スマホで初 〇〇新聞記事でも死亡例」

「ビデオを見たら7日後に死亡」

最後は何かの小説になってしまいましたが、今回の不活化ポリオ接種した19日後に亡くなりましたという報道はこれらとまったく同じたぐいのものです。因果関係の可能性で考えても、ものすごくショッキングな記事や番組を見た影響が何日もあとにでたのではないかと疑えば疑えなくもないけど常識的に関係ないよなあと思えるかもしれませんが、これと同じくらいでしかないと言っていいでしょう。

 

こんなトンでも報道でも一部の人をひどく不安に落し入れます。一部の人にワクチンを打たないという選択をさせる可能性があります。その中でワクチンを打ってもらえなかった子供がワクチンを打っていれば防げた病気にかかって危険な目に遭う可能性が生まれます。その場合、マスコミは自らの責任を認識するのでしょうか。(しないから無責任な記事が書けるのでしょうが・・)

マスコミには自分たちの報道にもっと責任を持っていただきたいと思います。

 

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2012年

10月

25日

ブログ始めます

ブログ始めます。

たぶんかなり不定期になります。

ホームページを更新しようとするとかなりの労力なのでもっと気軽に筆者の一意見を提示させていただくための場としてブログの形態を利用することにしました。各記事は記載時点での情報に基づくものであることをご了承ください。

その上でホームページ本体に反映できるものがあれば反映させていきたいと思います。

 

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