日本脳炎5分後の突然死の件ですが、月末により詳しい情報をもとに検討されるようですからその結果を待ってブログにしたかったのですが、マスコミは誤解を与える報道を繰り返しているため、現時点での情報をもとに考えてみましょう。
他のソースからの情報も総合するとワクチン接種5分後に心肺停止しており、その前に苦しがったなどの症状もなかったようです。本当に突然起こっているみたいです。
ワクチンのあと特に注意が必要なのはアナフィラキシーという重症のアレルギー反応ですが、この場合は息を苦しがる、かゆがるなどの症状が始めにあり、その後急速に症状が進みます。ですからアナフィラキシーは考えにくいと思われます。
もうひとつは血管迷走神経反射です。痛みなどの恐怖で迷走神経が働き脈が遅くなります。もっともひどいと心拍が停止することもあるようですが、処置に対する回復はよいとされます。ですからこれも違うでしょう。
さらにもうひとつは致死性の不整脈です。過度な興奮によって起こることもありえます(ただし頻度は非常に少なく普段からこれを心配するなら交通事故の方がよっぽど心配だよレベル)。今回の予防接種でそのような過度な興奮が起こり、そのため致死性不整脈が起こったという可能性はありえます。予防接種の環境で起こったわけなので保証の対象と思われますが、ワクチン自体で起こったわけではありません。
例えるなら
「ショッキングな記事をみて突然死」
「大音量の映画で突然死」
「大興奮のテレビ番組で突然死」
と同じ状況になります。
ワクチンでは保証対象(と思われますが)、その他、記事や映画、テレビでは保証の対象にもならないでしょう。日常生活では普通に遭遇する状況がたまたまワクチンの現場で起こったのだとしたら、ワクチンはどこまで悪いのでしょうか?
例として「交通事故で死亡」で考えましょう。
これがワクチンの帰りに起こったのであればワクチンの有害事象であり、しかもワクチン接種に行かなければ会わなかったので関係性はあると言えます。ちなみに有害事象とはワクチンと関係があるかないかにかかわらずワクチンを打った後に起こった不都合な出来事のことです。有害事象=副作用(正式には副反応)とはなりません。一般的には有害事象>>副作用となります。「交通事故で死亡」がワクチン接種後に起こればワクチンの有害事象ですが、ワクチン以外の場所に行くときもそのようなリスクはあるわけです。ワクチンを打ちに行ったという状況から引き起こされたものと言えますが、ワクチン自体が直接の原因ではありまえせん。
ややこしいですね。内容を十分と理解いただけるにこしたことはありませんが、少なくとも時間の前後関係だけで因果関係(原因と結果の関係)があるかはわからないこと、ワクチン以外の状況に置き換えても同じような報道ができてしまうこと、誤解を与える報道もよくあることを理解いただければ少しは冷静に考えてもらえると思います。
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